1980年代はコンピュータゲームが急成長を遂げた時代でした。「スペースインベーダー」のヒットを皮切りに、「パックマン」や「ドンキーコング」と言ったアーケードゲームが日本やアメリカでブームを起こし、ゲームというものが急速に市民権を獲得した時代でもありました。
一方、アメリカと冷戦状態にあった当時のソビエト連邦では、日米とはまた違ったアーケードゲームが発展していました。
旧ソ連時代のゲームを楽しむことができる博物館「Museum of Soviet arcade machines」がロシアのサンクトペテルブルクにあります。
■軍事工場が生産していたアーケードゲーム機
旧ソ連において、商業用のいわゆるアーケードゲーム機の生産が始まったのは1975年頃と言われています。同じ年、日本国内では初の家庭用ゲーム機『テレビテニス』が発売、アメリカでもアタリ社が実質的な世界初の商業用ゲームであった同社の「PONG」を家庭用ゲーム機『ホーム・ポン』を開発・発売しています。
旧ソ連におけるコンピュータゲームは、もともと兵士の教育や民衆に対するプロパガンダの一環として生み出されたと言われています。そのため、この時代の旧ソ連のアーケードゲームは実銃に近いライフル銃型のコントローラでプレイする射的ゲームや、戦車で戦うゲームなど、好戦的・攻撃的な内容のものが多かったようです。
しかし、西側諸国と比較し、当時の旧ソ連では電子機器開発の技術が遅れていました。
当時作られたゲームの多くは、西側のゲームをコピーし、内容を簡略化したものが多かったようです。また、ゲーム機の生産は軍事工場が手がけていましたが、物資不足のため、冷蔵庫や電卓などの家電や、場合によっては銃器類の余剰部品をゲーム筐体の材料として使っていたそうです。
■旧ソ連のゲームが楽しめる「ソビエト・アーケード・マシーンズ博物館」
サンクトペテルブルクにある「ソビエト・アーケード・マシーンズ博物館」は、旧ソ連時代の貴重なアーケードゲーム機を展示、実際に遊ぶことのできる博物館です。
博物館の入場料は350ルーブル(日本円で約590円)。見学者はチケットの他に、たくさんのコインを受け取ります。これは旧ソ連時代に使用されていた15カペイカコインで、実際にこのコインをゲーム機に投入してゲームをプレイすることができます。
実際に、どのようなゲームが展示されているのでしょうか?
博物館内の様子を撮影したムービーがYouTubeにアップされているので御覧ください。
日本やアメリカのゲームとは一味違うレトロな雰囲気がいいですね。
サンクトペテルブルクに行く機会があったら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?