普通にお湯を沸かすと100度でお湯は沸騰します。
ただし、とある条件がそろうと80度のお湯でも沸騰させることができます。
では、どんな条件がそろえばいいのでしょうか?
用意するものは、80度前後のお湯、針のない注射器です。
まず、お湯を注射器に吸い込みます。お湯を扱う際はやけどに十分注意しましょう。
注射器にお湯を吸いこんだら上向きにして注射器の先から空気を押し出します。
空気を押し出したら注射器の先端を指、または栓ができるもので塞ぎます。
この時空気が注射器内に残っていないようにしましょう。
注射器の先端を上に向けたまま注射器のピストンを勢いよく下にひきます。
すると、注射器内のお湯が一気に沸騰して沸騰した際にみられる泡などを観察することができます。
ではなぜ80度のお湯がさらに温めてもいないのに沸騰したのでしょうか?
これは圧力が関係しています。
圧力とは物体の表面や内部の面に対して垂直に押す力のことで、注射器ではピストンによって圧力をかけたり圧力を下げたりすることが簡単にできます。
注射器内の空気を抜いた状態でピストンを引くと圧力を減らすことができます。
圧力を減らされると、低い温度でお湯が沸騰するのです。
これは減圧沸騰といいます。
自然の状態では高い山の上に行った際や、海の底などで圧力の変化が起こります。
身近な例としては圧力鍋などで、圧力をかけて調理すると火の通りがよくなり調理時間が短縮されるのもこの圧力による作用を利用した方法です。
参考サイト
http://members.jcom.home.ne.jp/kobysh/experiment/Cooler/reduce.html
Kobysh科学工作館おもしろ実験・製作室 ヒートポンプ プラ注射器で水を沸かそう