ゲームの世界というと、剣と魔法のファンタジーやスペースオペラのようなSF的な物を連想しがちですが、中にはそういうものとは違う個性的な世界観を持ったタイトルも存在します。
ここでは、主人公や登場人物の心象的な世界を描いた、幻想的なゲームを紹介しましょう。
■Beyond Eyes
主人公は幼い少女、ラエ。彼女は不幸な事故で視力を失ってしまいます。落ち込んでいた彼女のもとに現れたのは猫のナニでした。ナニはすぐにラエになつき、ラエも心を開いていきます。しかし、二人が出会った次の年の春、ナニは彼女の前から姿を消してしまいました。ラエはひとり屋敷を離れて、ナニを探しに行く決心をします。
水彩画のような美しいタッチのグラフィックが印象的ですが、特に目を惹くのは、その『見え方』です。事故で視力を失ってしまったラエは自分の身の回りの他は、遠くから聞こえてくる音しかわかりません。グラフィックは彼女の周りと、離れたところから聞こえる音の発生源の周囲だけしか表示されません。
面白いのは、遠くに見えたオブジェクトが近づくと姿を変えることがあるという点です。ラエは音だけでそれが何かを判断していますが、近づいてみると似た音を発する別のものだと判明し、その見た目が変化するのです。（例えば、最初噴水に見えていたものが近づくと排水口に変化したりします）
ラエは音だけで世界を判断しているため、ゲームにはほとんどBGMは使われていません。聞こえてくるのは鳥の声や川の流れる音といった環境音だけ。中には不快な音を発するオブジェクトもあり、近づき過ぎるとラエはそれを恐れて動けなくなります。
詩的な印象の美しいグラフィックと癒される自然音で、目の見えない少女の世界を体感できるこのゲーム、日本ではSteamのダウンロード版をプレイすることができます。
■rain
主人公は身体が透明になってしまった少年。彼は一人の少女と出会います。
少女と共に雨降りしきる街をさまよう彼は、やがてことの真相に気づいていきますが……。
終始聞こえる雨音と、絵画風の幻想的なグラフィックが印象的なタイトルです。
街には主人公の行く手を阻む半透明の怪物が徘徊しており、見つからないよう進んでいかなければなりません。
主人公の姿は雨の下では半透明になって見えますが、屋根の下など、雨に当たらないところでは濡れた足跡を除き、その姿が見えなくなってしまいます。怪物に気づかれないためには、この特性をうまく使いこなさなければなりません。
ステージが進む毎に、ギミックの難易度も上がりますが、随所で謎解きのヒントが表示されるので、先に進めなくなることもありません。
PS3ダウンロード配信専用タイトルです。
