フィリピンで10歳から路上で物乞いをする生活を始め、現在は11歳になったロンメル君。自宅はありますが、帰るのはバス代が手に入った時だけ。出会って1か月になる犬のバジは座席の下に隠しますが、見つかると降ろされてしまうので、次のバスを探します。
バジは、ロンメル君がシンナー遊びをする少年らにいじめられた時、彼らに向かって吠え、追っ払ってくれました。彼らはロンメル君が寝ている時にお金を盗み、それでシンナーを買っていました。今ではバジが起こしてくれるので、目を覚まして周りに助けを求めます。
街の人を助けるはずの警察官さえも、ロンメル君は恐れているのだと言います。ある日、ロンメル君は「この場所での物乞いは禁止だ。お金は没収する。」と警察に捕まってしまったそうです。そして、彼らはそれでタバコを買ったのだといいます。
ロンメル君の母親は家を出て、長女の彼氏は大酒を飲む。父親も愛人と一緒に家を出てしまいました。幼い頃からこのような状況にいるせいか、ロンメル君は両親がいないことには慣れていると言います。
今でも食料とロンメル君の稼ぎを当てにし、時々家に帰る母親に対し「お母さんには自分の生活があるでしょ。もう僕らを捨てたんだし、僕らを助けてくれる人は誰もいないんだ。だから、自分たちの生活をするのがやっとなんだ。お母さんは愛人の面倒を見るのに苦労してる?」とロンメル君は伝えるそうです。
学校で勉強がしたいロンメル君は、物乞いで集めたお金を貯めて、すでにノートを買いました。学校に通うお金はないけど、将来は俳優になりたいと言います。そこで、このインタビューを行った”Front Row”という番組がロンメル君に制服とノートを買い、彼は小学校2年生として学校に通えるようになりました。学校には朝6時~12時まで通い、今でも生活のために物乞いは続けているそうです。
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http://manila.coconuts.co/2015/06/03/rommelandbadgi-may-soon-find-their-happy-ending)
幼い頃から複雑な家庭で育ち、街でも危険な目に遭い続けて来たわずか11歳のロンメル君には、理不尽な行動をする大人である警察官や母親に対しても立ち向かう、強い心が備わっています。これから小学校を卒業し、その先も教育を受け続け、世界的に影響を与える存在になって欲しいです。