ゲーム、特にアクション系のゲームの場合、プレイアビリティ(遊びやすさ)重視の点からだいたい同じような操作系を採用するものが多い傾向ですが、そんな中で独自の操作系でプレイさせるゲームが登場すると、強く印象に残ります。
PC版やコンシューマ機向けタイトルで話題になった『一人で同時に2人のキャラ』を操作するアクションゲーム「Brothers: A Tale of Two Sons」が、iOSに移植されました。
■なぜ独自性の高い操作系のアクションゲームは難しいか?
アクションゲームは反射的な操作を要求される分、感覚的に操作することが用意な操作系を要求されます。
例えば、決定ボタンとキャンセルボタンの位置が変わるだけでプレイヤーはかなり混乱します。海外のゲームは日本で一般的に使われている決定とキャンセルのボタン設定が入れ替わっており、ローカライズの際にはデフォルトの設定を入れ替えることが多いようです。2015年に発売された海外作品のRPG「ウィッチャー3 ワイルドハント」では、決定とキャンセルの配置を入れ替えるパッチが日本国内で配信されました。
このような事情から、アクション系のゲームの操作系は似通ったものが多くなる傾向にあるのですが、そんな中でも独自の操作系とシステムを持って評価されるタイトルも少なくありません。
主人公キャラではなくマップ自体をLとRのキーを使って傾けて操作する、という独自性の高いシステムのPSP用タイトル「ロコロコ」や、LとRのスティックを両方使ってキャラを移動操作する「塊魂」シリーズなどが代表的ですね。
■同時に2キャラを操作する「Brothers: A Tale of Two Sons」
2013年にPlayStation3とXbox360の配信専用タイトルとしてリリースされたアクションゲーム「Brothers: A Tale of Two Sons」は、その一風変わった操作系で注目を浴びました。
絵本のようなファンタジー世界が舞台で、主人公は兄と弟の兄弟。二人は病に倒れた父を救うため、「命の水」を探す旅に出ます。
プレイヤーは主人公の兄弟2人を『同時』に操作します。それぞれの動きは左右のスティックに割り振られていて、左スティックで兄を、右スティックで弟の操作となります。一人では運べない重いものを運んだりする場合は、二人で協力して行動しなければならなかったり、兄と弟ではできることが違うので、それぞれの能力を活かしてマップのギミックをクリアする謎解き的な要素も入っています。
2015年11月、このゲームのiOS版がリリースされました。
左右のスティックで操作していた兄弟の動きは、そのまま画面上の左右の仮想パッドで再現しています。
ユニークなシステムと詩的なストーリーとグラフィックが魅力的なゲームです。
Brothers: A Tale of Two Sons
https://itunes.apple.com/jp/app/id1029588869