スマートフォンやタブレット端末はモバイル=どこでも持ち歩けることがその特徴ですが、その特徴を活かしたオンラインゲームが世界中でブームになっています。それが拡張現実技術を利用した位置情報陣取りゲーム「Ingres」です。
■位置情報ゲームって?
位置情報ゲームとはモバイル端末に内蔵されているGPS機能を利用し、そのデータがプレイに反映されるゲームのことです。
位置情報ゲームそのものは意外に古く、スマホが普及する以前から存在しました。2003年にリリースされた携帯電話用アプリ「コロニーな生活」(株式会社コロプラ)はその先駆けともいえるタイトルです。内容はGPSから得られる位置情報からどれだけ移動したかを測り、その距離に応じて得られるポイント(プラ)を利用してスペースコロニーを発展させるというものです。
2005年には地図サービスでしられる株式会社マピオンが「ケータイ国盗り合戦」をリリース。位置情報を利用して国盗り合戦を行うという内容のゲームです。
■全世界規模で展開する陣取りゲーム「Ingres」
今、世界規模でブームになっているのが、2013年にGoogleのリリースした陣取りゲーム「Ingres」です。
この世界には人間の知性と秩序に影響を与える「エキゾチックマター」(XM)が存在しており、その物質の利用と制御を巡って二つの陣営が争っているというストーリー。
プレイヤーは二つの陣営のどちらかに所属、世界中に存在している「ポータル」を確保、3ヶ所のポータルをリンクするとその内側が自分の所属する陣営の支配する領域になります。この領域の面積を競いあうのが基本的なプレイとなります。
ゲームの舞台となるのはGoogleマップでデータ化されているすべての地域……つまり全世界です。この途方も無いフィールドを利用し、プレイヤーはどれだけ広い領域を確保できるか、現実世界を移動(徒歩から旅客機による移動まで)して競い合うわけです。
プレイヤー同士のコミュニケーションは活発で、地域コミュニティを発足させたりプレイヤー同士が出会うオフラインミーティングが行われています。また、観光振興のツールとしてのIngresに注目する自治体もあり、岩手県と横須賀市が実際にIngresを利用した観光サービスを行っています。
当初はAndroid用のみがリリースされていましたが、2014年にはiOSにも対応。アプリの利用は無料でアイテム課金などもありません。一部にはGoogleがゲームを装って大規模な社会実験を行っている、という説もあるそうですが、果たして真相は……?
世界規模で展開する壮大な陣取りゲーム「Ingres」。あなたも参加してみませんか?
Android:
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nianticproject.ingress&hl=ja
iOS:
https://itunes.apple.com/jp/app/ingress/id576505181?mt=8