15世紀から19世紀にかけて、世界中の国でプレイすることができる戦略SLG(シミュレーションゲーム)です。ヨーロッパではこれから大航海時代を迎えようとしており、このゲームの名前からしても欧州が主役的な位置づけではありますが、中国や日本なども大国になれる下地を持っています。
■徹底的に廃されたキャラクター要素
もちろん歴史上の人物は登場するのですが、固有のグラフィックなどもなく、ただ淡々と能力値だけが設定されています。その能力値も0から6までと落ち着いており、オール6という派手な設定の人物もいません。
プレイする期間も長いため、どれほどの名将、たとえばフリードリヒ大王や、グスタフ・アドルフのような人物ですらも、一時的なブースト装置の役割しか果たせません。
■手段に過ぎない戦争
多くの戦略SLGでは、戦争に勝つことが目的とされています。天下を統一することが目標であれば、たとえそれ以外の方法が用意されていたとしても、実際上は戦争は目的となっています。
このゲームでも戦争は非常に大事な要素ですが、必ずしも最も簡単で効率のいい方法ではありません。隣国と同盟を結び、婚姻を結び、有効度を高めて外交的に属国にし、そして数十年後に併合するという平和的手続きの方が戦争よりも効率的である場合もあります。
そもそものクリア条件というものが設定されていないため、多くのプレイヤーは自分で目標を決めてそれを追い求めるのですが、世界征服でもするのでなければ、たとえばドイツ王国を統一するというくらいの大きな目標であれば、あえて戦争を禁止して実現する事もできます。
■戦略級という視点
プレイヤーが戦闘に介入できるのは、部隊の移動程度です。自軍部隊と敵軍部隊が同じ地域にいれば勝手に戦闘が行われ、かってに決着がつきます。プレイヤーはどこに部隊を移動させるか、退却させるかを指示するくらいしか出来ないのですが、それでも戦争の勝敗はプレイヤーの采配で決まります。
内政も簡略化されており、地域にどんな施設を建てるか、工場を建てるかを考える程度ですし、貿易も商人を送り込むだけで処理されます。
徹底して国家を運営するという戦略的視点に立ち、舵取りだけをするという硬派なSLGで、一見すると単純なようにも思えますが、むしろ要素が多くて、そのくらい抽象化してやっと人間があそべる形になっていると思えるくらいに複雑です。
そういうゲームをプレイしたことがないのであれば、はっきりとした戦略級ゲームの入門にいかがでしょうか。
■Europa Universalis II Wiki
http://eu2.paradwiki.org/
■Europa Universalis IV
http://www.europauniversalis4.com/