都心から少し離れたところにはコンビニが少ないため、行きつけのコンビニが自然ち決まる。
高校生だった僕は、ある場所をよく利用したので、ほとんどの店員と面識があった。
その日は、偶然レポート用紙が足りなくて夜に買いに行った。
その時間の店員も、馴染みアルバイトのお姉さんで、年齢は25歳だと言ってた。
「こんな遅い時間に来たの？」
「あ、レポート用紙がないから」
くらいの、レジで無難な会話をしていた。
すると会計中に、お姉さんが突然頭痛に苦しみだした。
「大丈夫ですか？」と聞いたのですが、数秒もせず「…うん、だいじょうぶ」
痛みはすぐに落ち着いたようだったので、あまり気にせず帰ってきた。
そして、家に帰ると、何も言わずに出て行ってたのかと叱られたが、なぜか何か何も入っていないのだ。
ポケットの財布も出る時のまま、
実際に購入したのに、財布を確認しても領収書と残高が減った痕跡が全くなかった。
それでも、帰り道に落としたかorコンビニに置いてきた可能性を考えて、
道を見ながらコンビニまで戻っていくことになったが、
結局落としたものはなく、コンビニまで到着した。
お店に置いて来るなんてそんなことないけど、同じことを考えながらコンビニに入ると、
夜の時間帯には、あまり見なに店長がスーツを着て来ていた。
話を聞いてみると、あのお姉さんがアルバイト前に自分の部屋で倒れていたという様で、
これから人を補充して容態を確認に行くという。
お姉さんが卒倒した原因は、脳出血で治療のかいもなく死亡してしまったが、
その時のたわいもない会話と購入した内訳が痕跡もなくなった経験を今も忘れられない。
恨みと未練で人に乗り移るような性格ではなかったので怖くはなかったが、ちゃんと成仏できるかしばらく心配した。
変な噂は全く出なかったし、周辺で怪現象が起こったこともなかったので、
今は大丈夫だと思う。
