2014年に制作が発表されたもののその後長らく音沙汰がなかった、TRPG『クトゥルフの呼び声』をビデオゲームにした『Call of Cthulhu』でしたが、2016年ついにトレイラーが公開され、2017年発売予定と発表されました。
TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)の『クトゥルフの呼び声』も元はラブクラフトが創造した『クトゥルフ神話』を元にしているため、TRPGは知らないけどクトゥルフは知っているという人もこのゲームに注目するようになりました。
■『クトゥルフ神話』がよくわからないという人に
アメリカのホラー小説家「H・P・ラブクラフト」が書いた小説を元に、彼の友人である作家「オーガスト・ダーレス」が自身の構想と合わせて一つの神話体系にした物が『クトゥルフ神話』の基礎となります。
その後、多数の作家やクリエイターによって登場する地名や人名、固有名などが共有され続け、膨大な世界観を持ったSFホラーシリーズとなっているのです。
ゲームや小説で「ネクロノミコン」という名前を見た記憶はありませんでしょうか?他には「旧神」「旧支配者」「アーカム」「ナイアーラトテップ(ニャルラトホテプ)」これらの出どころもこのクトゥルフ神話からとなっています。
また神話とついていますが、ギリシアや北欧のように神々と英雄の物語ではなく、宇宙に追放されていた異形のものと、それに関わってしまった普通の人の話となりますので、格好良い展開とはならず、ホラーらしい陰鬱な話が大半を占めています。
■『クトゥルフ神話』の映像化が難しい理由
これまでにもクトゥルフ神話をそのまま取り扱った映画やゲームは数多く出ていたのですが、クトゥルフ神話のファン以外にまで広まることはほとんどありませんでした。
理由の一つとして、クトゥルフ神話の根底にあるのが「狂気」「恐怖」「混沌」という負の感情で、全編に渡って暗い雰囲気が続くことから、そのままのストーリーでは一般受けし難いものとなってしまいます。
またクトゥルフ神話には「具体的な描写」がないという特徴があります。
人間が対峙するおぞましい存在の姿は細かく表現されず、「冒涜的な」「名状しがたき」などといった抽象的すぎる言葉の表現だけで終わらせてしまうことが多いため、具体的なイメージは読者の想像によるものとなります。
この表現は決して手抜きではなく「人間の言葉で表すことができない」という演出によるものですが、これが映像化した場合に仇となってしまいます。想像していたのと違う、思っていたほどおぞましくない、など肩透かしを喰らってしまうことが多くなるのです。
人間の想像を遥かに超える恐怖、それを人間が創りだす事自体無謀なのかもしれません。
■それでも期待される新作『Call of Cthulhu』
そんな懸念を払い抜けるように、新作『Call of Cthulhu』は多くのクトゥルフ、ホラーファンの期待をかき立てています。
(Call of Cthulhu トレイラー)
これでもか、と言わんばかりに陰鬱な雰囲気が漂っています。
トレイラーには邪悪で異形の者は少しだけ映っているようですが、タイトルにある「クトゥルフ」の姿ではありません。果たして「クトゥルフ」は姿を表すのか、またどれほど禍々しい存在となるのか、クトゥルフファンとしては心惹かれます。
ホラーゲームといえばゾンビを銃で倒していくというのが多くなった中、こういうゴシックホラー風のゲームが出てくるのはホラーファンにとっても喜ばしいことでしょう。
2017年の発売を心待ちにしていてください。
(公式サイト)
CALL of CTHULHU -The Official Video Game-
http://www.callofcthulhu-game.com/