夢だだけど夢ではなかった!
そんな話…
僕は、社会人一年生。
両親の元を離れて、あれほど望んでいた一人暮らしを始めたが、残念ながらお金がない。
それで、古いのに加えて「かなり」という言葉がつくほどの安い共同住宅に入った。
どのくらい古いかといえば、歩くたびに床がギシギシ音が鳴る。
建物の基礎となる柱には亀裂が入っていて
壁紙は新しいものだったが、柱と壁の隙間が目に見えるほどであった。
そこから這い出てきたようだが、ちゃんとした名前は知らないが、小さなムカデのようなやつを見てしまい、引っ越し初日は害虫用スプレーを散布する時間ばかりだった。
暗くなればもっと陰気な部屋に感じられ、コンビニ弁当でお腹を満たして
その日はすぐ寝てしまった。
そして、夢を見たが。
なぜか僕は小学生で、当時の仲が良かった3人の友人といつもと同様に、空き地でこれから何をするか計画を立てていた。
子供じゃなかったとしても、計画を立てるのは楽しいことだろうが、僕にはひとつ気まずいものがあった。
視界の隅に女が見える。
顔はよく分からないが、白い服を着て痩せてみえる女がいた。
何か、傷つける気配はないように見えたが、こちらの姿を絶えず観察しているように不気味に見えた。
とにかく、僕はその空き地を離れて近くにある大型デパートを目指して行こうと提案しました。
気持ち悪い女は20代に見えたが、夢での僕の基準では十分に大人。
小学生という特性を生かして女を巻こうと思った。
例えば、金網フェンスを這い上がったり、
ギリギリ通過できるフェンスの隙間を突き抜けていくとか、
そうやってデパートに着いたのに、女は視野の隅にあった。
位置的には僕が一番前、そして友人3人がその後ろにぴったりついていた。
しかし、人がいっぱいいるところでは、やはり女性もどうしようもないだろう。
そんな期待を胸に抱き、僕はデパートにまっしぐらで飛び行った。
まずはエスカレーター。
2階に上がったのに女の姿は見えていた。
それなら3階。
やはり女はついてくる。
あっという間に屋上まで上がった。
僕はゆっくりと後ろを振り返り、3人の友人が僕に微笑んでいた。
大事なのはその後に・・・
やはり女は立っていた。
ここは屋上で、これ以上逃げる場所はない。
僕は覚悟してこう叫んだ。
「なんで、追いかけてくるんだ?!」
そこで僕は目が覚めた。
なんだ夢か…
そして、とりあえず一安心。
…した瞬間、僕は声を聞いた。
あの気持ち悪い女が吐き出した声。
それは眠りから目覚めた僕の耳元にささやくように、悪意を込めてこう言った。
「どうやって分かった?」
その声を聞いてから、妙に体が鈍くなった。
3歩歩いて呼吸困難を起こしたりもした。
どうやら、その日は会社を休まなければならなかった。
もしかして悪霊にとり付かれたんじゃないかと思ったが、その休んだ日に会社の水道管が破裂して職員一同が浸水。
まったく仕事ができなかった。
そう思えばラッキーじゃない?
悪霊だと思ったけど、多分守ってくれたのかもしれないと思う俺は危ないやつかなww