1984年にロシアで開発された『テトリス』は瞬く間に世界に広がり、多くの人達が画面に釘付けとなりました。日本ではセガ・エンタープライゼスが販売権を獲得、ゲームセンター用として展開したことで有名になり、その後の落ち物パズルの元祖として君臨しています。
そんなテトリスを映画にするという話が出たのが2014年のこと、その時に発表されたのは「SF大作になる」というゲームからはとても想像できない内容でした。そして2016年6月、映画の続報が出てきました。
■『テトリス』によって引き起こされた欧米諸国の戦い
テトリスが開発された当時のロシアは個人で商売をすることができない国でした。当初は友人達の間でコピーして遊んでいたのですが、いつの間にかハンガリーに持ち出され、そこからヨーロッパ全土へと拡散していきます。
国に隠しきれなくなったテトリスの権利は公共機関に移されます。全世界のゲーム会社はそことライセンス契約を結びテトリスを世に広めて行くことになったのですが、逆に販売権を巡っての訴訟合戦が繰り広げられることにもなってしまいました。それほどテトリスがゲーム界に与えた影響は大きすぎたということですね。
現在テトリスの版権は『The Tetris Company』が管理していますが、簡単なプログラムでできてしまうことからライセンスを受けていない模造品も多く出回っています。
■なぜいま映画化なのか
実はこの映画化には版権元である『The Tetris Company』も企画段階から加わっています。詳細はいまだ未発表ですが、8,000万ドルの資金が集まったこと、米中合作で2017年から中国で撮影を開始するということ、SF3部作になること、などが発表されています。
映画化の発表はテトリス誕生から30周年にあたる2014年に行われていますので、公開は35周年目を狙っているのかもしれませんが、残念ながらこの部分も未発表です。
2015年に公開された、80年台のゲームがモチーフの映画『PIXELS』にもテトリスは登場していますが、ほんの脇役でした。もしかすると、今度は自分たちの手でテトリスをメインにした映画を撮ろうと考えたのかもしれませんね。
■ゲーム原作の映画が次々でてきます
これまでもゲームを原作とする映画は数多く出てきましたが、興行的に見て好評と呼ばれるものはわずかしかありません。2016年6月にはゲームメーカー主導の大作映画『Warcraft』が公開され非常に好評を得ています。また年末には『Assassin's Creed』の上映も控えていますが、こちらも前評判は良好です。
早くも3部作になると言われているSF大作のテトリスがどんな映画になるのか、ゲーム原作の映画はヒットしないという意見を覆すものとなるのか、シンプルなゲーム内容からはまったく想像できません。世界で大ヒットしたゲームだけにその映画にも注目が集まります。これからの公式発表を楽しみに待っていましょう。
(公式サイト)
The Tetris Company
http://tetris.com/