ゲームの主人公が使う武器、装飾が施された剣や紋章の付いた盾などは見ているだけでも楽しくなれるのですが、もし実際にそれが存在していればどうでしょうか。
それも凝ったギミックも正確に再現したものだとしたら、ぜひ一度見てみたいと思いませんか?
ここではそんな夢を実現させた物をご紹介しましょう。
■何をやっている人達?
アメリカのカリフォルニア州にあるバーバンク、そこで映画やドラマに使う小道具用の武器を作っている「Sword & Stone」という鍛冶屋さんがおられます。
25年の歴史を持ち、史実通りの物やカスタムメイドの装備品を手がけることで有名で、個人向けの要望にも応えてくれる職人集団です。
これまでにゲーム以外にも映画やアニメに登場する装備を作っていますが、それらはすべて「BREAK.COM」の企画「Man At Arms」で作ったものであるため、販売して欲しいと言っても売ってくれません。
しかしその再現度と拘りはさすがプロといった仕事ぶりで、それで作られる物はもはや芸術とも言える出来となっています。
■作品その1「ファイナルファンタジーVIII ガンブレード」
スクエア・エニックス(当時はスクエアのみ)が1999年に発売したRPG『ファイナルファンタジーVIII(FF8)』から、主人公「スコール」が持っていた武器「ガンブレード」を「Sword & Stone」のスタッフが再現したものです。
この武器は剣と銃を合わせたような武器ですが、弾丸を打ち出すものではありません。
剣として攻撃する際に引き金を引くと弾倉にある薬莢の火薬が爆発、その衝撃を刀身に伝えて威力を上げることができるようになっているのです。
再現されたガンブレードは火薬こそ使えないのですが刀身に彫り込まれた獅子の紋様、グリップに付けられたアクセサリーなど、細部に至るまで精密に作られていて、まさに本物の風格を備えています。
さらに実際に物を斬ってしまえるのがアメリカ的ですね。
日本では違法となるため斬るように作るのは不可能です。
ガンブレード制作動画
■作品その2「ゼルダの伝説 マスターソード / ハイリアの盾」
もう一つ日本の代表的なRPG『ゼルダの伝説シリーズ』において、その代名詞とも言える装備がマスターソードとハイリアの盾です。
主人公リンクを描いた多くのイラストではこの二つを手にした姿を見ることができます。
ハイリアの盾は表面に「力」「知恵」「勇気」を表す3つの黄金の三角形「トライフォース」と、鮮やかなハイラル王家の紋章が施されているのが特徴です。
「Sword & Stone」ではこの盾を再現するにあたって、1枚の合金板を何度も叩いて焼入れを繰り返し、強度を出しながらの成型を行っています。
琥珀でできたトライフォースも添えられゲームのアイテムとは思えないほどの美しさを放ちます。
もちろん実用品としての性能も十分持っており、攻守に優れた一品に仕上がっています。
マスターソード / ハイリアの盾制作動画
■現在の創作活動
「Man At Arms」のオリジナル放送そのものは2014年6月終了しているのですが、録画された動画は「AWE meチャンネル」の1カテゴリーとして公開され続けています。
その中では「Sword & Stone」以外の鍛冶屋さんによる作品もあり、非常に見応えのある内容となっています。
これほどの数が揃っているのなら博物館でも作れるのでは、と思ってしまいます。
せっかくの力作をこのまま眠らせず、多くの方に見ていただけるようになると良いですね。
(Sword & Stone 公式サイト)
http://www.swordandstone.com/
(AWE me動画チャンネル)
https://www.youtube.com/user/AweMeChannel/featured