ヴァージンロードを歩いているのは、花嫁のジェニーさんとトーマスさん。一見、娘と父親に見えますが、トーマスさんはジェニーさんの父親ではありません。ジェニーさんの父親は、10年前に殺人事件に遭いこの世を去りました。
トーマスさんは、当時、死の瀬戸際にいるところをジェニーさんの父親の心臓を提供されて助かったのです。トーマスさんとジェニーさんは、結婚式の前日に初めて顔を合わせたのだそうです。
ジェニーさんはこの日のためにトーマスさんと連絡を取り、手紙で「宜しければ一緒にヴァージンロードを歩いていただけませんか。」とお願いしたのだそうです。
式場に現れたトーマスさんの姿に感動したジェニーさんは、「来てくださってありがとうございます。」と感極まります。トーマスさんは、自分のために涙を流す彼女を見て驚いた様子です。そして、ジェニーさんはトーマスさんの心臓に触れ、自分の父親の心臓の鼓動を確認します。
ジェニーさんの父親の姿はもうこの世にはありませんが、その命はトーマスさんの中で確かに動いています。全くの他人だった2人が、家族の様な関係として出会うことができたという素晴らしいお話です。