そこでは今年大ヒットした、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドについての講演も行われました。その内容は、ハイラルのフィールドがいかにして誕生したか、というものです。
講演したのはディレクターの藤林秀麿さんと、シニアリードアーティストの米津真さん。
■ポイントは引力
まず藤林氏から語られたのは、引力によってプレイヤーを誘導する、というものでした。
ブレスオブザワイルドはオープンワールドであり、自由に探索できるのが持ち味ですが、その自由をどうやって表現するか、で様々な引力がフィールドには配置されています。
例えばシーカータワー。もっと細かく言えばマモノ、マモノの巣、鉱床や馬宿など、複数のポイントがハイラルには散りばめられています。
マモノは武器を得るために倒さなければなりませんし、鉱床は鉱石を入手するのに必要だったり、馬宿は馬を登録したり買い物をするために必要な場所です。
もちろん、祠も引力の一つと言えるでしょう。
■地形でプレイヤーを誘導する
また、地形でプレイヤーを誘導する方法についてもお話がありました。フィールドで誘導するのは「時のオカリナ」時代から存在していたように感じている人もいるかと思いますが、ブレスオブザワイルドでもコレが生かされています。
遮蔽物を用意し、左右に迂回、あるいは上った時に新たな引力が見えるようにする、という仕掛けです。
距離感、密度感、尺度の3つについても重要視されたとのこと。今作のハイラルは現実の京都がモデルになっており、それがオブジェクトの配置に大きく役立ったとのことです。
ダンジョンなどを攻略するリズムも、京都の建物が役立ったとのこと。
密度の濃い作り込みは、さすがという他ありません。まだプレイしていない方は、ぜひプレイしてみてください。いつの間にか開発者の掌で遊ばされている感覚を味わえます。