アート系タイトルで知られるデベロッパーの代表格なスタジオのひとつにTale of Talesがあります。
Tale of Talesはモノクログラフィックで、プレイヤーのできることは、操作キャラである老婆を墓地の中で歩かせることだけ、という『The Graveyard』というタイトルで有名になりました。
その後製作した「赤ずきんちゃん」の童話をモチーフとした『The PATH』は日本語ローカライズもされて話題を呼んでいます。
『The PATH』
ただ、インディーゲームとはいえ、開発資金を回収し利益を上げなければならないのは大手のタイトルと同じです。
Tale of Talesは『The PATH』の後に出した作品が失敗したことから商業ゲームの市場から撤退することを表明しています。
製作者の作家性とエンタテイメント作品としての商業性を両立させなければならず、なかなか難しいところです。
■The Chinese Roomの新作
The Chinese Roomが注目を集めるきっかけとなったのは、『Dear Esther』というアドベンチャーゲームです。
『Dear Esther』は元々、FPSの人気作品『Half Life 2』のMOD(ゲームのデータを改変して別のゲームとした作品)として開発されたタイトルのリメイク版です。
Dear Esther - Official Trailer - YouTube
元になった『Half Life 2』にあったゲーム性を完全に排除したこの作品でプレイヤーのできることは、ただ孤島の中を歩きまわることだけです。
道を進んでいくと、物語の断片と思しき情報を集めることができ、プレイヤーはその情報を元に主人公の物語を推理することになります。
また、イギリスの田舎町を舞台に人類消失の謎を解くアドベンチャーゲーム『Everybody’s Gone to the Rapture』はPlayStation4専用ソフトとしてローカライズされ、『Everybody’s Gone to the Rapture-幸福な消失』としてプレイステーションストアでダウンロード購入することが可能です。
『Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-』 PV「責任」 - YouTube
2月16日に公表された情報では、The Chinese Roomの新作はジャンルも不明ですが、「自社パブリッシング」を行うことが表明されており、プレイヤーと交流しあいながら、オープンなゲーム開発を行っていく方針が示されています。
デベロッパーの持つ作家性と、プレイヤーのニーズのバランスを取るための手法と見ることもできるでしょう。