2016年11月10日、任天堂が発売したゲーム機『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(ミニファミコン)。
そのテレビCMが33年前に発売された元祖ファミリーコンピュータのCMを完全再現していると話題になりました。
■子どもの遊びの文化を大きく変えたファミリーコンピュータ
任天堂がファミリーコンピュータを発売する以前、すでに家庭用コンピュータは複数の会社が発売していました。
しかし、1983年に発売されたファミリーコンピュータは、先行する製品をはるかに上回る売上を記録、その売上総数は国内で1935万台に上ります。
ファミリーコンピュータ以前に発売されていた家庭用ゲーム機で最も売れたとされるエポック社のカセットビジョンの累計台数が40万台程度とされていますから、その影響力がいかに大きかったかは容易に想像できます。
それまでの玩具やボードゲームに代わり、ファミリーコンピュータは子どもたちの遊びの文化において中心的役割を果たすようになります。
『ファミコン』という略称はその影響力の大きさ故に、コンピュータゲームには疎い大人たちにとっては家庭用ゲーム機全般を指す代名詞としても使われるようになりました。
一方で、ゲームやゲーム機に対して反間や嫌悪感を持つ大人も少なくなく、「ゲームのしすぎで勉強しなくなる」という理由からファミコンを買い与えてもらえない子どもたちもいました。
1986年には九州大学が、ファミコンで遊ぶ子どもは暴力傾向が高くなるという研究結果を発表、これは2002年に脳科学者の森昭雄氏が出版しベストセラーになった『ゲーム脳の恐怖』にもつながってゆくことになります。
良くも悪くも、ファミリーコンピュータの登場が遊びの文化に巨大な影響を与えたことだけは間違いありません。
■CMも復刻版?
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』はオリジナルのファミリーコンピュータのデザインそのまま、手のひらサイズに縮小した筐体でしたが、そのミニファミコンのテレビCMまでが、まるで33年前のCMにそっくりだと、話題を呼んでいます。
2016年 ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータのCM
画像のみならず、音の劣化具合まで再現しており、本当にそっくりですね。
33年前、ファミコンに夢中になった世代の方は、思わずタイムスリップしたような感覚を味わったのではないでしょうか?
据え置きゲーム機から携帯ゲーム機、そしてスマホゲームと、ハードウェアの変遷こそありはすれ、ゲームが遊びの文化の中心にあることは、33年前のファミコン発売の時代から変化することはありませんでした。
今後、ファミコンに匹敵するような大きな変化と影響力を与える製品が登場することはあるのでしょうか?
1983年 ファミリーコンピュータのCM