スマホやタブレットが出回りだしたとき、店頭デモ機で子供達が遊んでいたゲームに「アングリーバード」がありました。スマホの普及とほぼ同じタイミングで出てきたこともあり、初登場してすぐに1200万のダウンロード記録を出し、その後もシリーズを重ねたり、他の機種にも対応したりで累計30億まで膨れ上がった怪物アプリです。(リセットマラソンはありません)
■簡単な操作と明快なシステムで大ヒット
ゲーム内容はいたってシンプルで、あらかじめ設置されているスリングショット(パチンコ)で使って鳥を飛ばし、的となる緑の豚を全て倒すというゲームです。
アングリーバードが出る前に「Crush the Castle」という同じ物理シミュレーションを取り入れたゲームが出ていましたが、内容が大型の投石機を使って城の住人を倒すというもので、倒すときには血を流したり悲鳴を上げたりと、お世辞にも子供向きとはいえずダウンロード数はあまり伸びませんでした。
また操作するのが投石器でも単純に打ち出すカタパルトではなく遠心力を使うトレビュシェットになるため、回した後に放すという2回の操作が必要で、タイミングも重要なためにカジュアル向けとはなっていません。
その点、スリングショットに乗った鳥を引っ張って放すだけのアングリーバードは初心者にも分かりやすく、倒す相手も血を吹き出したりせず消えるだけなので、子供にも人気が出たというわけです。
(アングリーバード ゲームトレ一ラー)
見ているだけでもどういうゲームか理解できる、それがヒットとなった理由でしょう。
■奪われた卵を取り戻せ!
このゲームからどんなストーリーが生まれるのだろうと思っていたのですが、ゲームの内容を踏まえつつ映画的な展開となっているので安心しました。
(映画アングリーバード トレイラー)
鳥達が平和に暮らしていたバードアイランドに豚の集団がやってきます。最初は友好的に振舞っていた豚達ですが、その実態は鳥達の卵をいただく悪者でした。
太い眉毛を毎日からかわれていたレッドは卵を取り返すため、仲間達と共に豚の本拠地に乗り込んで行くのです。
これが映画のストーリーですが、見事にゲームそのままとなっていますね。
城に立て篭もる豚に対し、鳥達がスリングショットを使って飛び込み、自慢の技で倒していくというのもゲームどおりです。
ゲームに登場する鳥はシリーズ全体で11種類となります。主役のレッド、共に旅をするチャックとボム、トレイラーには卵で攻撃するマチルダ、ブーメランのハル、レッドの兄貴分テレンスなども映っているので、ゲームを知っているとより楽しめそうな作品です。
■『アングリーバード』は再び飛び立つのでしょうか?
初代は画期的なゲームとして大ヒットとなったのですが、シリーズ物の宿命と言いましょうか、回を重ねるごとに複雑化し、初回ほどのインパクトとは与えられていないようです。
2012年にはいろいろなところでコラボが行われてきましたが、2013年の『Angry Birds Star Wars II』を最後にゲームは止まっています。
単純なシステムであるためシリーズを重ねてもやることは同じで、どうしてもマンネリ化してしまうのは仕方のないことでしょう。それでもアプリの定番でもあるヒット作が止まってしまっているのは寂しく思います。映画化に合わせてまた新しいアングリーバードを見てみたいものです。
(日本公式サイト:アングリーバードムービー)
http://www.angrybird-movie.jp/